深夜の来訪者

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「サポート。って、何する気だ?」 恐る恐る尋ねると、彼はにこにこしながら人差し指を上に向けた。 「准さんを幸せにしてくれる男性を見つけて、めでたく恋人同士になれるようお手伝いします! 具体的にはそうですね……。准さん童貞ですよね。上手い誘い方と、セックスの仕方をお教えしましょうか」 黙って聴いてれば、こいつ……。 いつもの自分なら、きっと殴っていたと思う。けど今は彼に握られてる秘密の方が多い気がして、下手に動けなかった。 「はぁ、何か頭痛くなってきた……」 「はっ! すみません。下ネタ聞き慣れてないからお辛いですよね。困ったな、代わりに何て言おう。ええと、エッチの仕方」 「うるさい黙れ」 ツッコミを入れたらまた痛くなってきた。くそ、悪循環だ。 「ではでは、ゆっくり休んでください。准さんの休息を妨げるわけにはいかないんで、俺はもう行きますから」 「は? どこに?」 「どこ、って言われると微妙ですね。俺、ちょうど帰る家なくなっちゃったんで……」 はっ。 彼の言葉に、准は目を見開く。 まさか、本当に浮浪者か? いや、こんな若くてしっかりしたスーツを着た奴がそうだと言われてもピンとこない。……そして、何よりも。 「だめだ! 何で俺のこと知ってんのか話さなきゃ、そもそも家から出さないからな」 怠い身体を動かし、彼の前に立ち塞がる。逃げられても面倒だから、後ずさる彼を部屋の隅に押し寄せた。 「さぁ、観念して全部話せ」 「はぁ……でも俺、実はかなり眠くって……どっかで寝てきますから、その後じゃダメですか?」 困りごと第二弾だ。実はこのとき、准も強烈な睡魔と戦っていた。寝ろと言われたら一瞬で寝れそうな状態だ。しかし、 「とても信用できないから、今話せ。その後は好きなだけ寝かせてやるから」 「えぇ、でもなぁ……ふあぁ……ちょっと寝たら……絶対話しますんで……」 青年はずり落ちる様にして床に座り込んだ。大きな欠伸をして、今にも寝そう。もうただの酔っ払いにしか見えないけど、その姿を見たら一気にどうでもよくなってきた。 限界だった。……眠くて。 「もういい、俺も寝る。……けど、明日絶対に話してもらうからな。それまで逃げないで、ここにいろよ……」 その言葉も、彼に届いたのか分からない。 寝室へ行くことすら思いつかない。全部酒のせいにして、准は柔らかいそれに身体を預けた。
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