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息子は大学に、娘は勤めに
すでに出掛けたようだ。
ー 今日から通常通り行動、
でも二人とも早めに帰るから
3人で鍋でも食べよう❗
買い物は二人でしてくるね、
仕事がんばって ー
メモがテーブルの上。
横に目玉焼き、コーヒーの用意。
「子供の世話に早速なってるよ」
リビングと続いた和室の
祭壇の君の写真に言う。
2週間前に君は呆気なく死んだ。
心臓の病気なんて
なんの予兆もないこともあるらしい。
慌ただしく病院から葬儀場、
「人間の死なんてルール通りに
あっけなく流れ作業で
骨までいくんだね」
君は5年前の笑顔で頷いている。
遺影は家族旅行の・・・
房総の菜の花畑で撮ったもの。
あの春の日の1枚が
そこに飾られるなんて
誰が予想しただろう・・・。
25年前、君と結婚して、
娘と息子が出来て
ちょっと広めの庭ある一戸建てを購入。
「通勤に時間がかかるのじゃない?
身体でも壊して
あなたに何かあったら・・・」
君は躊躇したけれど、
嬉々として家事に精を出してる君を見て
買って良かったと常日頃思ってた。
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