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昼飯を買いに、近くのスーパーによく行く。
ここのスーパーは、近所の老若男女はもちろん、高速道路の料金所からも比較的近いため、旅行者や日頃見かけないお客さんも来ていて賑わっている。
自分で料理をするのが面倒な為、揚げ物少なめの弁当と、野菜ジュース、ウーロン茶にチョココロネと、無難なラインナップを抱えながらレジのコーナーに差し掛かると、五つあるレジからお会計をするお客さんが、通路を塞がざる負えないくらい順番待ちをしていた。家族で話をしながら笑っている人もいれば、キョロキョロ落ち着かないで急いでいる人も、きちんと列を成していた。
このスーパーには、レジ待ち解消の一つの目的として、お客さん自らレジスキャンして会計を行うセルフレジが五台設けてある。あまり多くの量を買わないお客さんは、こちらで会計を済ませることが多い。もちろんこちらも長蛇の列なのだが、昼飯確保の為、無の境地を装ってレジ待ちをしていた。
自分の番が回ってきた。早足でレジ台前に立ち、商品を置いてレジ袋ありのタッチパネルを選択。自動音声が注意事項を話している最中に、四つの商品のバーコードスキャンを読み終え、値段の読み上げが追いつかないのを気にせずお会計を選択。カードにお金のチャージは万全。すかさずカードをかざして財布に戻し、昼飯獲得。次に並ぶお客さんにノールックパスと思いながらそそくさとレジを離れて、待ち時間短縮に貢献できたかと嬉しさを表情には出さずお店を出ていく。
「異動したのに、この店来過ぎじゃない?レジ援助してけよ」
「いやいや、近いんですよ。てか普段着で入ったら、誰ってなりますよ」
なんて冗談を言いながら、職場に顔を出したりする休日を過ごしている。
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