施療院の聖女

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【施療院の聖女】 ―白と黒― ある女が、施療院で働いていた。 女は、白いローブで身を包んだ美しい女性。 女は、その日も「患者」を待っていた。 ある日のこと。 施療院に、ある患者が訪れた。 女は、その「黒いローブ」を脱がせて、患者の傷ついた腕を、塗り薬や手術道具を使って治療した。 傷を作った理由は訊かない。 女は、あたたかい声で伝える。 「あなたが無理をしない事が大事です」と。 治療を終えた患者が、施療院から出ていく。 女は、患者の背中を見送った。
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