施療院の聖女

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―あなたが必要― ある日のこと。 施療院へ、別の患者が訪れた。 妖艶な格好をした女占い師。 女は、女占い師に話を訊かされた。 女占い師は、この世を自分の生きやすいように変えたいと言った。 まるで神のようである。 だが、祈るだけでは、叶わない。 だから、自分の脚で歩いて、その手で掴もうとしていた。 女占い師が掴んだのは、多くの患者を救ってきた、女の手だった。 「あなたの手が必要なの」 女は、その時に思う。 この女占い師も、治療してあげなくてはいけない、と。 女占い師の治療が終わった。 そして、女を誉めながら言った。 「あなたに治療してほしい人たちがいるの」と。
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