1人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
―あなたが必要―
ある日のこと。
施療院へ、別の患者が訪れた。
妖艶な格好をした女占い師。
女は、女占い師に話を訊かされた。
女占い師は、この世を自分の生きやすいように変えたいと言った。
まるで神のようである。
だが、祈るだけでは、叶わない。
だから、自分の脚で歩いて、その手で掴もうとしていた。
女占い師が掴んだのは、多くの患者を救ってきた、女の手だった。
「あなたの手が必要なの」
女は、その時に思う。
この女占い師も、治療してあげなくてはいけない、と。
女占い師の治療が終わった。
そして、女を誉めながら言った。
「あなたに治療してほしい人たちがいるの」と。
最初のコメントを投稿しよう!