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―診療録―
女占い師が連れてきた患者たちは、皆、個性的だった。
女は、一人目の患者を診る事になった。
この患者は、大自然愛護協会の創始者で、肩を治療してあげた。
訊けば、猟銃で人間を撃ったらしい。
決まり事を守らない者には、厳しい性格のよう。
その翌日、女は、別の患者を治療した。
この患者は神嫌い。
神について、よく、愚痴を訊かされた。
患者は、言う。
どんな時も、神は見下ろすだけだ、と。
施療院の外へ出ると、もう一人、患者が立っていた。
用を訊ねると、付き添いだそう。
この患者は、手を大切にしている。
解錠師の手は命のようなもの。
だから手だけは大事にしていた。
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