第1話 疑問の日々

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 意識がはっきりしているはずなのに夢から覚める気配が一向になく、今度こそと思いながらも一歩、また一歩と近づいた。そして触れる寸前まで近づきようやく触れ・・てあれっ・・触れない!というよりすり抜けているんだ。確かに黒い人影は目の前にいるはずなのに触れることができない、・・これは透明人間かな?  そう思いながらも私の気持ちは冷めるどころかますます高ぶってしまいどうしようかとその場で考え込もうとした直後だった。背筋に凍りつくような恐怖を感じた、日頃から母に感じる恐怖とはまるで別物だった、これ(恐怖)だけではないそれ以外の何かが混じっているように思えた。 「キャアアアアアーー!!」  あまりにも未知な感情なだけに私は困惑し悲鳴を上げていた。それでも手で頭を押さえ必死に冷静になろうとしていると、私は誰かに触れられている事に築いた。よく見てみると黒い人影が私の頭を撫でながら落ち着かせるような抱き方をしていた。さっきは触れることも出来なかったのに何で?  そんな事を考えていくうちに落ち着きを取り戻した私は目の前の黒い人影が助けてくれたんだと思い感謝の気持ちを伝えた。   「ありがとう、助かったよ。」  当然の事だけど黒い人影に返事はなかったが、それでも私は自分の気持ちを伝える事ができたと思い満足げな顔で立っていた。     
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