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第3話 スパイス!
学校の時計が8時35分だと確認した私は霊ちゃんの手をさらに強く引っ張り私たちは校舎の中へ走って行った。
私たちが通う過浦高校のホームルームは8時40分、なんとか間に合ったと思い、ホット胸をなでおろす。その時には握っていた霊ちゃんの手を放していた。
恵「なんとか間に合ったね。」
少し息を荒くしながらも霊ちゃんにそう言った。
霊「そうね。・・・それにしてもなんだか騒がしいわね。」
校舎の中は折り紙で作られた飾り付けなどが至る所に貼られており、(入学おめでとう!)の看板が正面玄関の前にぶら下がってるぐらい、なぜかそこではお祭り騒ぎのような声が3階建ての校舎全体に響きわたるように聞こえていた。
恵「これって上からかな?・・・霊ちゃん行こっ!」
霊「ちょっと待ちなさいよ!」
日常の中で起きる数少ないハプニングは私にとって興味ある雄一のスパイス。それに引きつけられるように霊ちゃんに声をかけながらも一人で突っ走って行った。
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