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窓ガラスの外にいる熊は、私たちを覗き見るようにして、ほとんど動こうとしない。その時の私と霊ちゃんは、恐怖心を抱くどころか、観光客気分で、その場ではしゃいでいた。
木島「さっき先生たちが呼んだ警察が、熊の対応どころか、俺らの死体の対処までする事になるんだぞ!」
ここで木島君からの朗報と物騒な発言が教室に響ながらも、私達はそんな事など気にも留めずにいた。
霊「そう、そのまま、熊の右隣に・・・ハイッポーズ。」
恵「イェイ!」 ・・・パシャ (シャッター音)
シングルマザーである私の母は、動物園に連れてってくれる機会がなく、窓ガラス一枚だけで外にいる熊に対し、学校が動物園と誤見してしまう私を、誰が責められるであろう、この状況を、無意識に楽しんでいた。
木島「誰かー助けてーー!!」
教室から廊下に飛び出し、叫ぶ木島君がそこにいた。
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