第4話 ポンコツ警部補

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 窓の近くにいた機動隊の一人が、私達が、感動している事に気付き、防具服を着ながらも、重苦しいヘルメットを、かぶった顔だけこちらに向け、スマイル1つを、贈ってくれた。  熊を取り囲んだ四人の警官は、無線である人物の名を口にした。それを聞いた私は愕然とした。 警察官A「警部補・・・天童警部補、こちら熊を取り囲むことに成功しました。 引き続きスタンロッドで熊を中央に留まるようこちらで威嚇誘導し、天童警部補の麻酔銃による射撃を行うのみです。」  ガラス一枚越しでも私たちに、はっきり聞こえるほど、警官達は気合が入っていた。無線での連絡を終えた警官が、スタンロッドに電源を入れ、盾を手前に引くよう身を守り、バチバチと音を鳴らせたスタンロッドを、熊に見せつけるように警官たちの中央に熊を誘導していた。 恵「今・・・天童警部補って聞こえたよね?」 霊「ええ、私たちの命は万年警部補の手にかかってるってことよ。それに、裏口の道路にいる天童さんを見てみなさいよ。」  私は、霊ちゃんが指で示す場所へ目を向けると、ライフル銃を片手に、何やら紙のような物を眺めていた。  ・・・あれってマニュアル?・・・まさかね。    
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