第5話 戦闘開始!

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 このままでは下敷きになっている警察官は窒息で死んでしまう。そう思う私の気持ちが、さらに力を出そうと奮起していると、校舎一階の窓から、走る音が聞こえてきた。 木島「俺も手伝う!」 天童「たくっ、揃いも揃って。」  慌てた表情で駆け付けた木島君に、天童さんは呆れた声で答えた。私はその声に気付けないほど必死に押していると、毛深い皮の内にみっちり肉の詰まった熊を、木島君が加わった6人で押していると、不意に、私たちが押している方向に、熊は勢いよく寝返りを打ち、熊に釣られるよう、私達は驚きの表情で下敷きになっている警察官に、大の字になるよう揃って倒れこんだ。  その後、6人とも息を切らし、痛みを口にするように起き上がると、いつの間にか霊ちゃんがおっとりした表情で私たちの横でライフル銃を両手で持ち運ぶように立っていた。 霊「お疲れ様。」  霊ちゃんの声に息を整えながら、片手を上げたり、大丈夫と息を切らしながら口にする者など、各自が別々な伝え方をした。私は霊ちゃんに、頬に笑みを浮かばせながら、なぞるように熊へ向けた。  
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