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天童「おい、しっかりしろ、・・・ん?」
その中で天童さんだけが、寝息をたてる熊の隣で、眉一つ動かず、横たわっていた警察官に、慌てながら緊迫するような大声で激しく揺さぶっていた。しかし天童さんだけが、ある異変に気付く。
天童「息がある、無事だぞ!」
・・・寝ていたんです、熊と同じく心地よい寝息を立てながら、しかも外傷もなく、下敷きになっていた警察官の無事が確認できたんです。
私はその言葉を聞き、嬉しさのあまり、両手を高々と上げ満面の笑みで、仰向けに倒れこんだ。それと同時に、校舎の上の窓で心配の様子で覗きこんでいた生徒達含め、その場にいる全員が、(ウォオオー)と歓声の声が鳴り響いた。
天童「まったくお前らは・・・一応、礼は言っとくぞ」
霊「救いたいという気持ちを、行動に起こしただけよ。」
肩の荷を下ろしたように礼を言う天童さんに、そう答えながら落ち着いた笑みで抱えていたライフル銃をプレゼントでも渡すように返す霊ちゃんに、私は、目をつむり人差し指で頬をかきながら苦笑いで二人を見届けた。木島君は疲れ切った顔で溜息を地面に向け吐いていた。
霊「それから天童さん、次からはライフルを改造するより、二丁用意すことをお勧めするは。」
恵「そういえば、発砲音が二回聞こえたけど、・・・そういう事?」
天童さん以外の6名が、唇を噛みしめながら、懸念の目を向けていた。
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