第5話 戦闘開始!

9/12
前へ
/92ページ
次へ
警察官「既に救急車と運用者を手配しましたが、ーーーというかその銃、早く車に戻してください!」  ライフル銃を抱きかかえたまま迫りくる天童さんに、仰天し、半歩分後退し、伸びきった手は、特殊車両を指していた。幼顔のように落ち込み、車両に向かう後姿の天童さんを見ていた私は、霊ちゃんと木島君に、口パクで密かに校舎へ戻ろうと、人差し指を校舎に向け、ジェスチャーのように伝えた。察した霊ちゃんは、笑いをこらえながら笑みを浮かばせ、私達は天童さん達に気付かれないよう、忍び足のように歩き始めた。 木島「あのー、俺たち戻っていいですか?」  私の意図などお構いなしに、馬鹿正直に聞き出した木島君に、一瞬、電気が、体に走るような反応の後、その場で止まった私たちは、恐る恐る、後ろを振り向いた。警察官は天童さんに気付かれないうちに行けと、笑みを含んだ顔で、校舎を指さした。私はチラッと裏道を見てみると、すでに天童さんは特殊車両に乗り込んでいた事を確認し、今ならいけると思い、再び忍び足で、校舎の正面玄関に向かい始めた。霊ちゃん達も私に続くように、歩き始め、途中、歩くスピードを緩めながら、警察官達に敬礼をし、警察官達は微笑みながら、同じく答えてくれた。  校舎、東の道に差し掛かかる時、後ろを振り向き、私達3人以外この場にいない事に、私の心臓の高鳴りが、落ち着きを、取り戻し始めていた。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加