第5話 戦闘開始!

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先生「そんなの決まってるだろ、・・・ありがたい説教と反省文だ。」  目が笑っていない、偽りの笑みで言う先生に、私は肩をやや落ち、引きつったように笑いだす。取り囲んでいた生徒たちは、他人事のように、指をさす生徒や、あざ笑う空気が、取り囲んでいた。 霊「ドンマイ。」 恵「・・・嫌、霊ちゃんもだから。」    霊ちゃんが、笑いをこらえながら手で口をふさぎ顔を地面に向け、私の肩に片手を乗せてきた。今回の一件で一番楽しんでたのは霊ちゃんかもしれない。私も人の事は言えないけど。そんな複雑な気持ちで振り向きながら答えた。 先生「ほらっ、もう並べお前たち、また熊が出るかもわからんのだぞ。何グループに分かれて、下校するぞ。」  先生は、両手を叩き、生徒全員に気合をいれるような声で指示を出した。 木島「ようやく終わったな、お前らのせいでとんだ厄日だよ。」 恵「そうかなあ?・・・木島君も楽しそうだったよ。」  校門に移動しながら私の後ろでため息交じりで言う木島君に、わざとらしく言った。 木島「そうか、わかった、明日の反省文お前たちの今日の行動、こまめに書き記しとくは。」 恵「ごめん、冗談だよ。・・・あのさ、少しでいいから私たちに同情の声が集まるような文を書いてくれないかなあ?なんて。」 木島「断る、そもそも熊の前で写メ撮るとかアホだろ。」  私は弁護をして欲しいと拝むようなしぐさで、伝え飛ばした意思は、正論でバッサリ切られてしまった。私は沈んだ気持ちで先生の元へ歩き、通学路が同じ生徒たちをグループ事に分け、私は霊ちゃんに声をかけ手招きをする。しかし霊ちゃんは明後日の方向を向いていた。さらに大き目な声で霊ちゃんを呼ぶと想い吹ける顔でこちらを向き、そのまま私の所に歩き出した。 恵「どうしたの?」 霊「・・・どこかで会ったような人がいた気がするんだけど、気のせいだったは、ごめんなさい、さあ帰りましょ。」  珍しく歯切れの悪い霊ちゃんだったが、穏やかな顔に戻った事もあり、それ以上は聞かず私は目元に笑みを浮かばせ頷き、同じグループとして下校した。   第5話 完
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