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詩織「あんたも、もう少し別な事に興味持ってくれたらねえ。何で危険事に興味をもつんだか。」」
恵「だって、それしかないんだもん。」
母の心配も虚しく散る程、私は思いのままを口にする。母は腕を組みながら、口をポカンと開け、はあ、と悲しい溜息を漏らしてた。
詩織「病院、行くかい?」
恵「待って、だ、大丈夫、何か見つけるから。」
先程の涙が目玉もろ共吹き飛ぶぐらい、母の一言が、胸に矢を撃たれたように思えた。慌てながら返事を返し、頭をフルスピードで回転させ、必死に考えた。そして出た答えが、(お腹が空いちゃった)と照れ隠しのようにポツリとつぶやいた。
詩織「今度やったら、号泣して哀願した後、ラリアットかますからね。」
遠い目をしながら、どよんだ声で二の腕を軽くたたき、私に警告をしてきた。
恵「色々ツッコミどっころがあるんだけど、その身長でラリアットするの?」
詩織「・・・リハーサルするかい?」
恵「じょっ、冗談だよ、お母さん。ハハハッ、・・・もうしません。」
先程の手刀打ちを思い出し、私は片手を背中に回す。母ならやりかねないと察した私は、背後から死神が、私の首に鎌を突き付けるような錯覚を感じ、背中に妙な汗をかき、低姿勢で謝罪した。
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