第1話 疑問の日々

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 酔いつぶれ熟睡している母に冷たい視線を向けていた。このまま何も触れず寝ようと思ったけど、さすがに朝起きてもこのままだったら私が困るし、かと言って朝早く出勤する母が、片付けるとは思えない、(仕方ない母さんだけ片付けるか)・・違う違うテーブルの上にあるゴミだった!  私は寝ぼけていたせいか不図そんな事を思ってしまった。けど母には若干イラっとするところはあった、まずはこの気持ちを静めるために母がかけている毛布を頭にまでかけた。・・が、これでもまだ足りないと思い何かないかとリビングを眺めそこで目に留まったのが本棚だった。私はそこから親子との距離という本を一冊取り出し、見てほしいページを開きさらに崩れない用に洗濯ばさみを二本使い左右に一つずつ挟み固定し、先ほど母の頭にまでかけた毛布の上に被せてやった。本来ならゆっくりと近づき被せるんだけど仕返しの気持ちが強すぎたせいか、ズカズカと母の前に歩み寄り放り投げるように顔に置いた。  それでも母は起きなった。むしろいびきが強くなり、より深く熟睡してるように思えた。 「ヨシッ!」  そう言いながら私はしっかりガッツポーズを決めていた。これで気分よく片付けれるし、寝れるし、何より母に仕返しが出来たんだ。一石三鳥とはまさにこのことだよ。          
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