43人が本棚に入れています
本棚に追加
9 大混乱の末路
酔っ払ってたんだ。
アパートに戻り、コートも脱がないままで、大祐はベッドに投げだすように
腰かけた。
確かに今夜の二人の会話は、驚くほど楽しく弾んだ。
そして久しぶりに美味い酒で、その分、互いに酒も進んだ。
そんな要素が、グッと彼らの距離を縮めたことは間違いない。しかし――。
あぁ、大ちゃんと毎日一緒にいたら楽しいだろうなぁ。
本当に別れ際近くに彼女から飛び出したこの言葉を耳にしてから、
大祐の中は、しっちゃかめっちゃかの大混乱になっている。
あれって、何の話をしてた時に呟かれたんだっけ?
だが、混乱する頭では、なかなかきちんと思い出せない。
そして大祐は、右手で額を覆ったまま大きく呼吸をゆっくりとして、
「だけど……」と再び胸の内で呟いた。
毎日一緒にいるってことは、一緒に住むってこと、だよな……?
最初のコメントを投稿しよう!