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ところが、年末休暇に入った彼女はのんびり休みを堪能しているのか、
すぐに返事が返ってきた。
しかも、今、電話で話せるかとの超直球。
だが大祐は、車中にいることを口実に帰宅後にこちらから連絡をする旨を
伝えて、再び混乱の渦中へと思考を落とした。
とにかく、彼女が自分に告白をしたとしても、別の意図があるとしても、
如何せん展開が急すぎて大祐の思考が納得する現実味が無さすぎる。
それにいつもの彼ならば、昨夜の事は単に酒の勢いでの事と割り切り、
今日のメールも、二人だけで食事をしたことへの気遣いだろうと極常識的な
落とし所で合点を見るはずだ。
だが彼女に気持ちが傾いてしまった今の彼としては、感情という面倒な要素が常識的な割り切りの邪魔をして、正直、電話を掛けるのが少し怖い。
しかし、だからといって中学生のようにバックレを決め込むことも出来ずに、帰宅した大祐は、手の中のスマホに彼女の電話番号をおずおずと呼び出した。
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