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少女のような困惑を声音に乗せた彼女の言葉が、大きく大祐の気持ちを
揺さぶった。
そしてその揺れが、混乱と躊躇いに蹲っていた大祐の背中を、思いっきり
突き押した。
「あのさ、ぼ、僕は、まぁゆに惚れちゃったよ」
えっ……。
まるで中学生の告白のように、大祐は、宣言するかに声をやや張り上げた。
その途端、電話の向こうの彼女が声を呑む。
だが言葉尻の声をちょっぴり裏返した大祐も、もう止められなかった。
「僕は、忘年会帰りのまぁゆと会った時からまぁゆに惚れちゃったから、
デートじゃないなら二人で会うのは無理だよ。
ま、毎日一緒に居るんだって、一緒に住むんだって、単なる友達とか
同居人とかじゃ絶対無理だよ。それでもいい?」
自分でも、なぜ半ギレ状態になっているのか分からないまま、大祐は一気に
言葉を繋いだ。
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