10 見付け物

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だから真友子は、それを踏まえて答えだけを彼に返してみた。 「でも大ちゃん、私、急いではいないからね」 えっ……?  しかし、彼女のこの言葉の意味は読み切れなかったのか、少し訝しげな大祐に再び真友子は笑いかけた。 「毎日、大ちゃんと一緒にいたら楽しいだろうなとは思うけど、どんな事も 急いでないから。 だって、今日が、私たちの初めてのデートだもんね」 そう言った真友子を、大祐がじっと見つめる。 そして、すごい真顔でポツリと言った。 「あのさ、もしかしてそれもテレパシー?」 いや。戸惑いも迷いも、全部きみの顔に描いてあるよ。 そう思う裏側で、なんとも癒し系のトボケ具合に、真友子は思わず口元が 綻びそうになる。 しかし、それをなんとか堪え、内心でニヤリと笑ってちょっぴり意味を含んで呟いた。 どうかな――。
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