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だが、間違い電話を含めて何度かのやり取りは有れども、彼女とは
まだ二回ほど食事をしたに過ぎない。
そんなよく知りもしない自分に、彼女が惚れるなどということがあるの
だろうか?
だけど、現に僕は彼女に惚れちゃったんだから有り得なくはないのか、な……。
そして、どうにも自分の思考が空回りばかりして、どんな返事をすればいいのか分からなくなる。
だから結局、彼が真友子に返事を出したのは帰宅の電車の中から。
『返事が遅くなって、ごめん。実は、今日まで仕事だったんだ。
それから、こちらこそ昨日はありがとう。僕も、すごく楽しかった。
それで質問の答えだけど、まぁゆの思った通りで間違いじゃありません。』
そこまで打ち込んだ大祐は、続きをどうしようかとちょっと指を止めた。
しかし続ける言葉も浮かばず、かといってその先に聞きたい肝心な事も
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