第1章 2人の関係は。

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昨日は卒業式で、今日から春休みで…記念すべき彼女第1日目! なんだか 自然と顔がにやけてくる。 だって!だって!だってさっ!先生の彼女になっちゃったんだもん! 昨日、卒業式の後 先生と二人で気持ちを確かめ合った。待って、待って…やっとむかえた卒業式。 でも数学準備室で ホッコリしていると、ビックリするような校内放送が流れてきた。 『卒業生の一瀬凪さん、数学の高杉先生、大至急 理事長室まで来て下さい!』 私と先生は顔を見合わせて 理事長室に急いだ。 「失礼します…」恐る恐る理事長室のドアを開けると、お父さんとお母さん、理事長先生が 談笑中だった。お父さんと理事長先生は、剣道で昔からの知り合いだそうだから不思議じゃないんだけど、ビックリしたのは その後。 「一瀬君、こちらが高杉先生。君のお嬢さんの凪さんと今日から交際する事になった。 そうだよね?」 ?! 理事長先生何で?! 「それは…どういう…?」 我にかえった お父さんが聞いた。 「高杉先生、お話しして。」 「はいっ! 私は…数学を担当しています高杉と申します。 実は凪さんに以前から好意を持っていて、今日 卒業式の後に 気持ちを伝えて 凪さんとお付き合いさせていただく事になりました。 ご両親には さぞや驚かれ、また教師が生徒に好意を持つなど、不快に思われたかと思いますが、私は…凪さんの容姿も その真っ直ぐで素直な性格も、凪さんの全てを好いています。 どうか…私達の交際を許していただきたいと思います。」 「…。」 「一瀬君、どうかね?」 「どうか…と言われましても…急な事で。」 「大体 決定的な事は、急に起こるものだよ。高杉先生の人物は私が保証しましょう。仕事も出来る。凪さんの数学の成績が上がったのが 証拠だ。 また、私が最も買っているのは我慢強さだ。それは凪さんにも言える。2人は1年ぐらい前からお互いを思っていた。お互いの事を思って卒業を待っていた。私は その一部始終を側で見ていたんだよ。そんな事なかなか出来ないよ。こんな事一生に一度あるかないかだ。幸せな事だよ。私は2人を応援したい。」 「…そうですか…」 お父さんの口調が あまりに静かで、それからどんな言葉が続くのか分からず ドキドキした。
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