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「高杉先生、娘は…凪は世間知らずで、まだ若い。いいのかね。付き合うのが 凪で。」
「凪さんは、私より歳は下ですが 教えられる事も多く、尊敬しています。むしろ いつも自分が凪さんに相応しい男でありたいと思っていました。」
「そうですか…そんな風に言っていただけるなんて。もう私から言う事は、ありません。先生、凪をよろしくお願いします。凪、良かったな~。」
お父さん…。
肩に入っていた力が抜けて、クラクラした。
「良かったわね~凪!お母さん、凪が高杉先生に恋をしているって知ってたわ!」
お母さん?!
「お母さん?! そうなの?」
お父さんが 私の心の中を代弁した。
「だって、そうじゃなければ あの凪が数学を頑張り出すなんて、かんがえられないもん!」
「もんって…言ってくれれば良かったのに!」
「凪に好きな人がいるって知ったら、お父さん、ヤキモチやくと思って。」
「…。」
「先生、こんな家族ですけど、今度良かったら ウチに遊びに来て下さいね!」
「あ、ありがとうございます。ぜひ、伺わせていただきます」
私達家族をニコニコ笑って見ていた理事長は「いや~良かった!良かった!良かったね!高杉先生!公認だね!」
先生の顔を見ると やっぱりニコニコしていて、私も自然と笑顔になった。
大好きな人とニコニコ笑い会える…幸せ!
横にいる凪を見ると あの笑顔で笑っている。
一時は どうなるかと思ったけど、理事長のおかげで凪のご両親に 自分の事を知ってもらえたし。認めてもらえた。
凪は本当に大事に育てられたんだな。
あの笑顔をずっと見守っていきたい。
凪と同じ物をみて 笑い合う。この幸せの為に今までの3年間があったんだな…。
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