第7章優しく口付けて

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お風呂から出ると もう先生が待っている。 いつも待たせちゃってるな。 これでも急いだ方なんだけども。 「凪、早くない? ちゃんと髪乾かした?」 「うん。 先生の方が早いです。いつも待たせちゃってる…。」 「そんな事気にしなくていいのに。女の子なんだから。」 借りていた浴衣を返して、売店で 夕方チェックしといたお土産を買う。 「理事長先生には、定番のバターサンドにしました。」 「あれ、美味しいよね。俺も実家、それにしよう。」 あれやこれや 話しながら部屋に向かって歩いていると 窓から 離れに続く渡り廊下が見えた。 行灯が所々に灯って、灯りの道って感じ…。 「綺麗…。」 「本当だ。幻想的って聞いてたけど、行灯って所がいいよね。ホワッとしてて。」 「本当!」 自然と歩みはゆっくりしたものになり…。 着いた部屋の入り口に漂う香りにも和むな〜。
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