第7章優しく口付けて

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横並び? 正面に膝詰めじゃないだけマシか。 横に座ると 先生は手を伸ばして行灯の灯りを絞った。 「手…繋ごうか…。」 「…はい。」 まずい 声掠れてる。 硬く握りしめていた手は 先生の手に包まれると ちょっと力が抜けた。 緊張しすぎて、グーにしてたのすら気付いてなかったよ。 「凪…怖い?」 「…。」 「正直に。」 「少し…。」 「緊張してる?」 答える替わりに コクンと頷く。 「そうだよな…。俺も。」 「でもっ!」 「セックスするのは、初めてじゃないけど 凪と肌を合わせるのは初めてだから…。」 先生は握っていた私の手を自分の胸に当てた。 浴衣の布越しなのに 熱くて…すごく速い鼓動が伝わってきて、いつも大人で…冷静な先生の 熱みたいなものを感じた。 「すごいドキドキしてるでしょ? 独りよがりになって、凪を置き去りにしないかって思って、緊張する。大人の余裕なんて全然ない…」 そんな風に考えてたんだ…。 「そんな男でも いいか?」 手を繋いだまま、顔を覗き込むようにされて 胸の奥が キューってなった。 「…先生がいい」
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