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その日は、あいつの事で頭がいっぱいで 凪が何か話しても、全然入ってこない。
一緒に 前話してたカフェバーで食事をしても、自分が何をオーダーしたか忘れる始末。
「先生?今日…どうしたんですか?」
「別に…なんでもない。」
その時、凪のスマホが鳴った。
「もしもし 吉村さん? どうしましたか?はい、はい、いえ、まだなんです。そしたら …今 外なんで、夜もう一回かけてもらうって事もできますか?はい、すいません!よろしくお願いします。」
「すいません。」
「もういいの? 吉村さん?」
「図書館のレイアウトについて、2人で考え中なんです。夏だし 妖怪とか、おばけ屋敷っぽい展示とか…。」
「2人でおばけ屋敷行ったり?この前も絵本美術館行ったし。」
「え? なんで?とりあえず、そんな予定はないですけど。」
何か…俺…止まんない。
「今日、この後ウチに来ない?」
いつもだったら、この時間にウチに誘ったりしない。
「えっと…今日は帰ります。吉村さんから電話くるまでに資料読んでおきたいんで。ごめんなさい。誘ってくれたのに」
「いや、大丈夫。急にごめん。」
「先生…?怒ってる?」
「別に 怒ってないよ。じゃ、帰ろうか。」
「はい…。先生…断って ごめんなさい。」
「本当、怒ってないよ」
帰って 吉村からの電話を待つ 凪が どうしてもイヤで、手も繋がず、駅で別れた。
いつもなら、凪の最寄駅まで送るのに。それも無し。
凪は…全然気づいてないな。吉村の気持ちに。
でも…もし…告白されたら?
凪は、どうするだろうか?
吉村は…男の俺からみても いい男だ。
いい男だ…よね。歳も 同じぐらい。
気も合うみたいだし…。
最近…凪に影響を与えて、世界を広げて…って 吉村だったんだな…。
凪は、あいつといて、バイトしたり 本すすめられたり、楽しいんだろうか…。
なんだか…な…。
…。
なんなんだ!俺は!?
今日は なんだか、自分で自分がどうにもならない…。
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