第2章 手を伸ばせば。

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家に帰り、吉村さんの方の用事は アッと言う間に片がついた。 …。 先生の…今日のあれは、なんだったのか…さっぱり分からない。 とりあえず私には答えを出せそうもないので、優香に電話。 「もしもし? 今話してても大丈夫?」 「うん!どしたの?元気ないけど」 私は今日の出来事を優香に話した。 「…それはね~」 「分かるの?」 「分かるとも!!それは嫉妬だね!ジェラシー!」 「先生が?」 「そう!凪も先生に嫉妬させるなんて、やるねー!」 「本当に?高杉先生だよ?嫉妬なんてするかな~」 「じゃあ逆の想像してみて。先生と待ち合わせしてたら、南先生が一緒に歩いてきて」 「南先生?」 「そう、去年教育実習にきて、やたら高杉先生にくっついてた南先生。」 「南先生は、高宮学園の新任教師で高杉先生がお世話係だとします。 」 「…。」 「凪と会って、南先生は別の方向に行くんだけど『後で連絡します』とか言うの。それでしばらく2人でデートしていると先生のスマホに南先生から電話がかかってきて、先生が『今、出先だから また後で』という。」 「何か…ヤダ…」 「凪が ヤダな…と思って『ウチに遊びにきませんか?』って誘うんだけど、高杉先生は『南先生から電話がかかってくるから、帰る』っていうの」 「ヤダよぅ…悲しくなってきちゃった。私、知らないうちに先生の事傷つけた…先生…ごめんなさい!」 「でも凪は、もちろんやましい事はないわけで、先生の勝手なヤキモチなんだけどね。」 「先生…私の事 嫌いになっちゃったかな…。」 「イヤ!むしろ大、大、大好きだと思うし、凪は全然悪くないのも分かってて、今頃自己嫌悪に陥ってるはず。」 「…。とりあえず、先生と話す!優香、ありがとう!」 「どうなったか、今度教えてね~!」
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