第7章優しく口付けて

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専門家と動物園を回るって事が、こんなにも楽しいなんて!! 知らなかったーっ! 先を歩く弓原さんは本当に楽しそうで 動物の話も ものすごく面白い。 動物達と仲良しって感じがする。 「退屈してない?」 弓原さんが振り返って聞くけど 「全然! 次はどこ行きますか?」 「じゃあ、チンパンジーのとこが近いから 行こうか。」 「弓原、よく来るの? 地図見なくても歩けるんだな」 「まぁね。仕事でも来たし、プライベートでもちょいちょい来るし、デートでも来るしね〜」 「へ〜」 弓原さん、彼女いるんだ。 「ここは俺が最も 力を発揮できるからな。」 「おい、何だか下心ありそうだな」 「ないない!下心なんて。」 でも確かに弓原さんとここに来たら、彼女さんは もっと好きになっちゃうよ。 「…わぁ…すごい…」 チンパンジーのいる建物は 凄くて人間が居る場所が真ん中にあって 周りがガラス張りで360度囲まれてる。 「チンパンジーの森にいるみたいでしょ。」 「チンパンジーを見てるっていうよりは、こっちが見られてるみたいだな」 「そうそう。それがいいんだ。」 「あ、モグモグタイム?」 飼育者さんが餌をまきはじめた。 餌は…果物! 柑橘類とか林檎とか…バナナ 「あのチンパンジー、皮むいて食べてる!」 「アイツはバナナが好きらしいな。さっきからバナナしか食べてない」 「人と一緒で色んなヤツがいるからな」 本当、面白い。 コツッ!  コツッ!  コツッ!
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