第7章優しく口付けて

33/41
前へ
/341ページ
次へ
ん? 「凪、後ろ!」 先生の言葉に振り返ると チンパンジーが 指先でガラスを弾いてる。 「凪ちゃん、遊ぼうって言ってるよ」 「えーっ?!」 えっと…どうしたらいいかな… まごまごしていると、弓原さんが助けてくれた。 「今日は凪ちゃん、遊べないんだってよ〜!」 とりあえず、小さく手でバツを作って、ゴメンねって感じで手を合わせてみる。 チンパンジーは 何度かうなづくと 分かったよ〜って言うみたいに片手を上げて向こうに行っちゃった。 「…人間みたいだな〜あの、手を上げた感じとか。」 「本当に。ビックリした〜!弓原さんの話が通じたのもビックリした。」 弓原さんは面白そうに笑った。 「どっちかって言うと、凪ちゃんのジェスチャーが、通じたんじゃないかな?」 そうかな〜。 チンパンジーの後は、オオカミを見たり 白くまを見たり 私達はプロと回る動物園を満喫した。
/341ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加