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「ホテル着くまで寝ててもいいよ」
車に乗ると功輔さんが ちょっと心配そうにコッチをみた。
酔っぱらいだと思われてる…。
「ううん。平気。」
「そう?」
「うん。なんで?」
「なんか、いつもと違って陽気な感じだから…酔っぱらっちゃったかなって思って。」
やっぱり。
「大丈夫。そんなにたくさん飲んでないし。ハスカップサワーと…柚子蜜サワーと…カシスオレンジだもん。」
「後、カルーアミルクも飲んでなかったっけ?」
「ちょっと飲んだけど、苦手で功輔さんにあげたから、ノーカウント」
「カルーアミルクダメなんだ?」
「うん…甘過ぎたっていうか…濁ったのより透き通ったサッパリ味が好きっていうか…」
「濁ったの…ま、確かに甘かったな」
「うんうん。」
「じゃあ、カルピスサワーはいいの?」
「カルピスサワーは 半透明だけど キュンとした酸味が美味しいから、いいの。初恋の味だし。」
「凪、古い事知ってるね。 さ、着いたよ。今日の宿。」
お喋りしてるうちに着いちゃった。
車から降りて思わず 上を見上げた。
昨日の宿とは うってかわって都会的なホテル。
「凪、行こうか。」
車のキーを預けた功輔さんが 振り返った。
「はい。」
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