第2章 手を伸ばせば。

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いつもなら、「早く着かないかな~」とか思う先生の家の最寄り駅。今日は気が重いせいか もうついちゃった…。 ノロノロ改札に向かうと、向こう側に先生が立ってるのが見えた。 うそ? 時間言わなかったのに。 「先生?なんで? 」 「凪、ウチに来るとき この電車か、次に乗ってくると思ってたから」 2人で並んで歩く。 先生のウチは駅近で、歩いても すぐ。 2人共なんにも喋らない。 「凪…手、繋ご」 先生…怒ってないの? 「はい…。」 手を繋いだけど、付き合い始めよりぎこちない。 先生の家に着いたけど、もう慣れた空間なのに どうしたらいいか、まごまごしちゃう。 「どした?お茶いれるから、座りなよ」 なんだか…いつもの2人がけのソファじゃなく、1人ソファに ちんまり座った。 先生が持って来てくれたのは、私用のマグカップに入ったミルクティ。 先生は「熱いよ。」そう言って、私の前にマグカップを置くと ソファに座った。 「あの…あの!!昨日、ごめんなさい!私、先生に嫌な思いさせちゃいましたよね?あの時は、そんなつもりなかったんだけど、後から家に帰って…きづいたんです。ごめんなさい。」
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