第1章 2人の関係は。

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「今日の悠斗、惜しかったよね~」 「あとちょっとで、優勝だったんだけどね。」 「でも、相手の選手に 全然隙がなかったんですよね…。」 お泊りパーティーは、今日の悠斗の剣道大会の話で盛り上がった。 まぁ、その前の夕食の時から 盛り上がったけど。 優香は小学生の頃から、ウチに遊びに来ているのでウチの2人目のムスメって感じだし、初めてきた瞳子ちゃんもメチャクチャいい子で、アッと言う間に我が家に馴染んだ。 お母さんは「瞳子ちゃん、いい子ね!」を連発してたし、お父さんもニコニコ上機嫌だった。 3人で飲み物持って、二階の私の部屋に上がる。 「瞳子ちゃん、ゴメンね!なんか、うちの家族浮かれてて…」 「仲良しのご家族で、羨ましいです!悠斗君にも『一瀬家、メッチャ楽しいよ!』って聞いてたんですけど、想像以上です」 「悠斗君って呼んでるんだ。」 えへへっと照れて笑った瞳子ちゃん、可愛すぎる…。 そんな瞳子ちゃんが、話し始めた。 「私、優香先輩と凪先輩にヤキモチやいてた時代があるんです。」 優香と顔を見合わせた。 「悠斗君とお二人は本当に仲良しで、すっごい羨ましくて…私なんて入り込めない感じで。悠斗君にわがまま言って困らせたんです。その頃 仁科って苗字で呼ばれてたんですけど、先輩達の事は名前で呼んでる…って泣いて。私から告白して付き合い始めたから、自分に自信がなかったんですよね」 「私達、小学生の頃からの付き合いだからね~」 「そしたら、瞳子って呼んでくれるようになって…悠斗君の事も名前で呼んでって」 きゃーっと言って、ジタバタする瞳子ちゃん。可愛い…。 「みんないいわね~優しい彼氏がいて!!凪も先生とラブラブで、家族も職場も公認だし。なんと言っても理事長が味方なんだから、無敵だよ」 「あの高杉先生が彼氏だなんて、すごいです!って言うか、先生が彼氏なんて想像つかないです。」 「特にこの2人は、両思いになってから付き合うまで1年も凪の卒業を待ってたんだよ~。だから これからは すっごい濃厚にラブラブなのよ」 「濃厚に…」 再び きゃーっと言って 悶える瞳子ちゃん。 「やめて!!!何その濃厚って…勝手な想像やめて!」 「だって…10歳も年上の彼氏ってだけで、クラクラしちゃうもん」 「確かに…。」 「だから、やめてってば!」 恋バナ中心の女子会は、異様な盛り上がりを見せつつ深夜まで続いた。
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