第3章 伸ばした手が 触れ合った時

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「奈智、もう食べないの?最近、元気ないみたいだけど 学校で何かあった?」 「友達関係とか?それは大丈夫。部活が大変だからかな?慣れてくれば、大丈夫になると思うから…。お母さんが心配するような事はないから」 「そう…?なんかあったら、いうのよ。部活もほどほどにね…お母さんとしては、竹刀よりシャーペン持って勉強してほしい所だな」 「分かってるけど、3年に仁科先輩っていう人がいて、剣道強いし とにかくカッコいいの!私、仁科先輩目指してるから!」 「まあ、もう高校生なんだから 奈智に任せるけどね」 「…ねぇ、お母さん 最近 莉子に会わないんだけど、どうしたもんかね。LINEでも連絡取れなくて…気になってる事と言えば それかな…」 「仲良かったけど、学校違うからね。莉子ちゃんには莉子の世界っていうか、学校の友達が出来たんじゃない?」 そうなんだろうか…。 莉子に バイトに誘われて、断って…それから連絡取れない。 まだ怒ってるの? 莉子のバイト、ヤバそうで…元気してるんだろうか。 もう、私には関係ないのかな…。 「お父さん!! ねぇ、先生に何言ったの?」 先生との電話を終わらせてリビングに降りると、お父さんがテレビを観てた。 「え?」 「なんか、先生元気ないんだけど、この前 お父さんと飲みに行って 変な事言ったんじゃないよね?」 「言ってないよ~。変なことなんて!お父さんのせいにしないでよ。仕事が忙しいんじゃないか?」 「…それなら 仕方ないけど…。」 高杉先生が、なぜ元気がないか その理由は分かってる。先生から学校が今は動かないという連絡が来たから。 先生にも言ったが、学校って所は 大体そんなもんで、先生が気にやむ事ないんだけど。 まぁ 彼女の父親としては、その生真面目さが好ましくもある。 「元気のない彼氏を 支えるのも 彼女の役目じゃないかな?お父さんのせいにしてないでさ~」 「…。」 「まだ凪には難しいかな?」 「そんな事ないよ!」 「本当?」 「本当だよ!この前もさ…」 あ、危ない…うっかり あのビームの事言いそうになった…。しかも父親に!! 「まぁ、先生を大事にな!」 この前、先生に凪が何をしたか 知りたいような 知りたくないような…。 とりあえず 話をそらしといた。
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