第3章 伸ばした手が 触れ合った時

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「功輔、高宮理事長に感謝した方がいいぞ!」 「そうだよ~こんな可愛いお嫁さんが来てくれるなんて、おばあちゃん長生きした甲斐があるわ~」 えっ?! 「おばあちゃん、まだ凪は学生だから お嫁さんに来てもらうのは もうちょっと待っててよ」 えっ?! 先生…今…。 ビックリして先生を見ると、ニコッと笑って頷いてくれた。 先生…そう思ってくれてるの?お嫁さん…。 嬉しくて幸せで、頭がクラクラした。 「先生、そういえば 待ち受けにしてた写真ってどんなのなんですか?」 「えっ?凪ちゃん…見た事ないの?」 「はい。ないんです。」 先生が諦めたようにスマホを差し出した。 待ち受けの写真は…クラゲの水槽の前に立つ ツインテールの女子高生…私? これ…私なの? 小さっ!遠いっ! 「これ…もしかして校外学習で水族館に行った時?」 「…ま、そう…です」 「兄さん、まさか隠し撮り?しかも こんな遠くから…いじましいというか、なんというか」 「先生、言ってくれれば写真一緒に撮るのに」 「ゴメンね。でも母さん、なんでAI?」 「ほら、最近あるじゃない? 初音なんとか…みたいな。あれ。」 「兄さん、お母さんは 兄さんが 遂に2次元に手を出しちゃったと思ったのよ。多分。」 「なんなんだよ! ちっともAIじゃないから。っていうか母さん、AIって意味分かってないじゃん!人工知能だよ AIは。」 「とにかく、本当に付き合ってるんだから 今度 一緒に写真撮ってもらえよ」 みんなが待ち受け写真の事を アレコレ話して 盛り上がった。 和やかで楽しい時間。 家族仲いいんだな…。 先生も すごいリラックスしてるし。これが 素の先生なんだな…。 その時、いつのまにか隣に来た先生が そっと手を握った。 顔を寄せて耳元で囁く 「ちょっと抜けよう。二階の俺の部屋。」
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