第3章 伸ばした手が 触れ合った時

10/30
前へ
/341ページ
次へ
「お待たせしました!」 丁度お料理が運ばれて来て、みんなでおしゃべりをしながらの楽しい食事会になった。 おばあちゃんおススメのグラタンも、とても美味しい! ホワイトソース滑らか!! おばあちゃんの方を見ると「美味しいでしょう?」っていうように ニコッと笑って、そのお茶目さに私まで嬉しくなった。 高杉家、仲良い! 本当に居心地いい! そんな楽しい食事会が終わって、ルミエールを出る頃には 夕方が近づいていた。 「凪ちゃん、今日は本当に楽しかったよ。またおいで!あ、そうだ。ウチのホテルで女性向けのプランわ新しくする事になって、モニター募集してるんだ。萌子にも頼んだんだけど、凪ちゃんもお友達と泊まりにおいで。功輔にチケット渡しておくから。」 「ありがとうございます!私こそ、本当に楽しい一日でした!」 「こちらこそだよ!昔の話も聞いてもらちゃって、懐かしかったわ。また来てね!コウちゃんが居なくたって、遊びにいらっしゃいよ~!」 「はい!ありがとうございます!」 みんなで、高杉家までの道を ブラブラ歩く。 先生とおばあちゃんが、楽しそうにおしゃべりしているのも、いい感じ。 そんな事を後ろから眺めていると、いつのまにか お母さんが隣に来ていた。 「凪ちゃん、今日はありがとう。楽しい時間だったわ。 功輔、大切な人の前では あんなに柔らかく笑うのね~。 功輔、小さい頃から手がかからない子だったけど、その分 人を必要としてないっていうか…。でも…きっと凪ちゃんの事 、大好きなのね。凪ちゃん無しでは、いられないっていうか。 凪ちゃん、これからも よろしくね。」 「2人、何話してるの?未来の嫁と姑?」 「功輔が、意地悪したら 叱ってあげるから、言うのよ!って凪ちゃんに言ってたとこ」 「もちろん、そうなったら功輔の味方なんて ウチにはいないよ!凪ちゃん、遠慮なく言うんだよ~」 「大丈夫です。先生には いつも大事にしてもらってますから。」 「えっ!?みんな なんで俺が凪に意地悪する前提なの?大事にしてるのにな~」 後ろを振り返った先生が笑いながら そう言って、みんなで大笑いした。
/341ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加