第1章 2人の関係は。

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「…で?どうなの?先生の彼女生活は!」 「どうなの?って言われても…映画観に行って、カフェでランチ食べて…シェアして食べたり…」 「あ~ん!した?」 「あ~ん…しないよ!」 「デートなのに?」 「いいの!」 「それから?」 「それから…先生の家に行ったんだよ。課題が終わってなくてさ…」 「おウチデート!! ん?課題って何?」 「デートのお誘いがあったんだけど、私が学校の課題が終わってなくて、そしたら先生が自分も仕事するから、ウチにおいでって…」 「で?」 「映画デートより すっごい緊張したけど…」 「ウチ、ここの3階」 最寄駅で待ち合わせて、迎えに来てくれた先生とたどり着いたのは、ちょっと年季の入ったビル…。 ここ?会社とか事務所みたいなんだけど…先生? 実際、他の階には税理士さんとか入ってて、一階はカフェと言うより喫茶店。 「ここ、学生の頃から住んでるんだ。大学よりも今の職場の方がちょっと近くて、ラッキーだった。ここ意外に住み心地よくて…。」 確かに私が通っていた高宮学園まで電車で2駅だけど。 どんどん進んでいく先生の後について 3階へ。 高杉って言う小さな表札のドアを開けると…狭い階段からは想像出来ない広い空間が 広がっていた。 「素敵!! 広い…」 「大昔のオフィスビルだから キッチンとか狭いんだけどね~。 1番のお気に入りは…ここ。一応、書斎。狭いけど」 案内してもらった先には、小部屋があって 本棚にギッシリ本が詰まっていた。 「秘密基地みたい。やっぱり、数学の本が多いんですね」 「このサイズの部屋が もう一個あって、寝室にしてるんだけど、これが俺が ここに住み続けているポイントかな~」 「適当に座って課題始めてて。お茶いれるから」 「補習を思い出します。あの頃はお茶出なかったけど」 こうやって先生の家に来るなんて、ちょっと信じられない。 「進んでる?」 「あ、はい はい。」 「はい はいって2回言うときは、サボってた時だよね。凪は。」 慌てて課題を始める。 先生も 何やら、パソコンを広げてお仕事開始。 その見慣れた横顔をみて、それだけでも嬉しくなっちゃう。 課題やっててニヤニヤしちゃうなんて、重症だね。
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