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「…で?」
「…で、その後 先生とDVD観て、送ってもらって帰った」
「…。」
「おしまい」
「チューは?」
「しないよ!」
「あっ!」
「何?」
「先生のパスタ、すごく美味しかったんだけど、私が お好み焼きが好きって話したら、今度一緒に作ろうって言ってくれたの」
「もう~!そうじゃなくて、もっとラブな話しはないの?」
「優香には、そう見えなくても 充分ラブだから いいの」
「そうですか。でも何か進展があったら、教えてよ!」
「うんうん!何があったら、相談するからね」
「もしもし。久しぶり」
「本当に。1年ぶりぐらい?」
この前、凪と話していたと思ったら ウワサの弓原から電話がかかってきた。
「いつ日本に帰ってきたんだ?」
「一昨日だよ。南米からグリーンランドに行ってきた。そっちは?」
「いつも通り。数学の先生。この春から1年の担任になった。」
「彼女出来た?」
「…出来たよ。」
「どんな子?」
「笑顔が可愛い。ずっと見てても飽きない。」
「若い子?」
「若い。もうすぐ19歳」
「えっ?!」
「教え子…元だけど。」
「おまえ!よくクビにならなかったな」
「何故か理事長が応援してくれている。しかも彼女の父親と知り合いで、紹介してくれた。付き合い始めた日に学校も家族も公認になった」
「その理事長先生に盆暮れの挨拶を欠かすな!」
「…。」
「で、その彼女の父親は、厳しそうなのか?」
「かなり厳しいと思う。剣道七段の刑事。娘をめちゃくちゃ大事にしてる」
「…お前、命知らずだな…。俺よりずっとスリリングな毎日じゃないかよ!数学の先生。」
「とりあえず、収まるとこに収まって 付き合い始めたから大丈夫なんだ」
「9歳も年下の彼女…どうなんだよ!」
「どうって…映画を観たり、ウチで課題やったりDVD観て…」
「違う! 違う! そうじゃなくてさ。じゃ、まずなんて呼んでるの?」
「名前で呼んでるよ。凪…って。」
「凪ちゃんか。お前は何て呼ばれてるの?」
「…先生」
「先生?!…やっぱり、Hの時とかに、先生って呼ばれると たまらないよね」
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