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近付くと、それが小さな家の中から漏れているのだということが分かる。辺りには他にも建物があるが、明かりが点っているのはその一軒だけだ。
「ただいま」
「おかえり、二人とも」
僕とテオが家に入ると、中から柔らかい声が迎えてくれた。暖炉のある部屋に入ると、温かさにホッと肩の力が抜ける。
「外寒かったでしょ。シチューを作ってあるから、食べて温まって」
部屋の奥にあるキッチンから、ミアがそう声を掛けてくれる。すでにおいしそうな匂いが漂っていた。
防寒着を脱いでから、僕はミアの様子を見にキッチンに向かう。
「何か手伝うことは?」
「そうしたらお茶を入れてくれる? お湯は沸かしてあるわ」
ランプの明かりを頼りに、僕はティーポットにお茶を準備し、マグカップに注ぐ。少し手元が暗くても、問題はない。いつの間にか慣れてしまった。
お茶が入ったところで、ミアがシチューを運んできてくれた。
「ありがとう、シオン。兄さんも来て。昼食にしましょう」
小さなテーブルに三人分の食事を並べて、僕たちは椅子に腰かける。
「いただきます」
手を合わせてからスプーンを持ち、シチューを口に運ぶ。
「うん、おいしい」
「それなら良かった」
ミアは安心したように笑って、自分もシチューを食べ始めた。
「そう言えば、そろそろ水が無くなりそうなの」
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