午後の雨音

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「マスター、今日こんな天気ですし、早目に上がっちゃダメですか?」 アルバイトの希が甘えるように口を尖らせる。 何やら、大学のレポートを放って置きすぎたせいで、期日を忘れていたらしい。 ホントは小雨位の日なら、すこしお客さんも増えるが、 この後は警報出るくらいまで強くなる。なんて話もあって、客足の予想が難しい。 暫くいて欲しいとこなんだけど… 「なに、これからそんなに降るんですか?!だったら尚更…!てか、知ってたら休むって先に連絡してたのに…」 「希さん?何か今言ってましたね。」 「えっ、いや何も?!」 うっかり本音が出掛かっているが、月曜にしてこの天気とあれば、それも仕方ないだろう。 「…まぁ、今日はお店自体、早目に閉めるよう考えますので、そのつもりでお願いしますね。」 「やたっ♪了解でーっす!」 こういう素直な表現は、やはり今の若い子と言ったところだろうか。 そんな会話をしていると、入り口のベルが鳴った。
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