あたしの大好きなパパ

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あたし、パパを待ってるの。 3年前、あたしがまだちっちゃかった頃にいなくなっちゃったパパ。 あたしがママに「パパはいつかえってくるの?」って聞くと、ママはいつも悲しそうな顔をして「パパはお仕事で遠い所にいるのよ」って言う。 でもね、ママ、あたしわかってるのよ。 パパはもうかえってこないこと。 だけどね、もうすぐパパに会えるの! 毎年クリスマスの夜だけ、パパはサンタの格好をして、窓から私の部屋に入ってくるのよ! パパがどうやって2階の私の部屋に入ってくるのかはわからない。 けど、毎年プレゼントを持って「メリークリスマス」って言ってくれる! それだけですっごくポカポカした気持ちになるの! 寒い冬も、冷たい雪も全部溶かしちゃうくらい! パパがクリスマスに私の部屋に来ることは2人だけの秘密。ママも知らない、内緒の時間。 前に一度パパに「何で秘密にするの?ママも呼ぼうよ!」って言ったことがあるけど、その時パパは、くしゃくしゃで泣きそうな顔をして一言、「ごめんな、ママには秘密なんだ。」と言っていた。それからあたしは二度とその話をしていない。 最初はこんな不思議な事が起きてパパは何者か疑った。でももう構わないわ。 だって、パパはパパなんですもの! どんな人だって、どんな存在だって、あたしの大好きなパパには変わりないわ! あぁ!早くクリスマスになればいいのに!
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