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誤解後…
聞けばキシは、料理教室に通っていたらしい。
アタシが血肉を好むことを知って、世界の肉料理を学んでいた、と。
そして昨夜、野菜しか食べずに育った動物の肉料理を作って、アタシにご馳走しようと…。
フタを開ければ、何とも情けない真実。
でも昨夜、マカに連絡を取り、確認してもらったところ。
料理教室に通っていたことも真実。
そして事件の時、料理教室にずっといたのでアリバイも成立。
………マカが深夜に関わらず、大笑いしてたっけ。
まあでも一般の人間であるキシに、血族のことを知られたのはさすがにマズイらしい。
けれどその優れた情報網を持っていることや、アタシや同属への理解があることから、将来、アタシと結婚するならば、このままで良いと言われた。
…コレって自業自得?
キシは痛い目に合ったものの、婚約者になれたことに嬉しさを隠せないようだ。
今もタオルで頬を押さえながら、ニコニコしている。
「でもアンタ、洋食コースを選んでいるのに、わざわざ他国のも学んだの?」
「ええ、モチロン。いろいろな料理教室をハシゴしましたとも!」
…おかげでアリバイを取るのも、楽だったらしい。
いろんな意味で目立つからな、コイツ。
ちなみにアタシとコイツの通っている専門学校は、料理の専門学校。
アタシは和食、コイツは洋食。
他にもお菓子の専門科もある。
…なのにわざわざ、他国の肉料理を学んでいたのか。
本当に愛されているな、アタシ。
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