誤解後…

3/4
前へ
/39ページ
次へ
「ええ…。まるでアタシを待ち伏せしているような事件だったから、つい…」 「そうですね。でもボクだったら昨夜みたいに、あなたに直に伝えてますよ」  確かに! ちょっと早計だったな。 「…食べる者のいない肉料理、ですか。悲しいものを感じずにはいられませんね」 「さっ昨夜の料理だったら、ちゃんと食べたじゃない」 「冷めたものを、ね」  …相変わらず、ねちっこい。  料理は結局、そのままウチに持ち込んだ。  そして会話後、お腹が空いたので頂いた。  とても美味しかった。  …けど、さすがに冷めてはいた。 「でも確かに、ヒミカを誘っているようですね。コレを見てください」  そう言ってキシが地図を広げた。 「料理があった五ヶ所なんですけど…」  地図に赤ペンで丸を付けていく。  そしてあたしは、眉をひそめた。 「…コレって」 「ええ。間違いなく、あなたを誘っているんでしょうね」  料理が用意されていた公園、五ヶ所。  キシが丸を付けた、その中心部には…。  まるであたしのマンションを囲むようにして、起きていたことが分かる。 「…あたしへの挑戦状?」 「あるいは招待状でしょう」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加