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香菜
私は獣。愛を守りたい獣。Beast Love Triangle。BLT。
奏という子が邪魔だ。私は彼女を視線に入れながらBLTサンドをかじった。頭の中で奏の手首に噛みついてやった。無意識に噛む口に力が入ってしまい、レタスが骨の折れるような音を立てた。血のように真っ赤なトマトソースが口の端から垂れて、透明なトレーにポトポトと落ちた。
せっかくの美味しいランチも奏がいるだけで一気に不味くなる。まるで食事の中に長い髪の毛が入っていたような、そういう不快感に襲われる。
こいつがいなければ、佐奈と二人きりでいつものカウンター席に座ることができたのに…。三人で一階のテーブル席に座るはめになってしまった。おまけに私一人だけ木製の固い椅子。佐奈と奏はモスグリーンのビニールを張った柔らかいソファ席。
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