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私は女でありながら儚い少女に憧れを抱く。それは恋愛感情とは少し違う。
手を掛けただけで折れてしまいそうな、ほっそりとした首。大きくて零れてしまいそうな、潤んだ瞳。まだ誰にも触れられない薄いピンクの唇。外の世界を知らない、純粋無垢な心。
私はそれらを全て愛している。
――町が見渡せるくらいの高さまで登ってくると、流石に息があがってきた。
病み上がりの私の喉は、ヒューヒューと音をたてて空気を欲する。
大きな足跡が屋敷に向かって続いている。うっすらと積もった雪は、おそらく昨日の晩から降り続いているものだろう。間違いなくここ最近この道を通った人間がいたはずなのだ。
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