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終章
1人の男が屋敷を買い取った。彼は事業に成功したとかで、大層お金を持っていた。
屋敷は小高い場所にあって、裏には雑木林が広がっている。ジメジメとした雰囲気はきっとそのせいだけではないだろう。建物自体も歳をとり、壁はヒビ割れ蔦が這う。
男はこの雰囲気を大変よく気に入り、4人の少女と共に暮らすことにした。
最近はもう1人の少女を招き入れ、6人で仲良く暮らしているそうだ。
しかし、麓の住人達は彼女達の姿を見たことがない。
夜になっても電気がついていることがほとんどないものだから、たくさんの噂がたった。死体があるだとか、男は幽霊だとか、少女達は皆誘拐されてきた者達なのだとか……。
どれもこれも、単なる噂でしかない。
ただ1つ言えることがある。
――私達は皆、幸せなのです。
と。
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