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起、あるいは気
松任谷由実から山下達郎にBGMが切り替わった、年の瀬迫る街角より。
「今年のクリスマス、どうかなぁ」
「何が?」
「ほら。ホワイトクリスマス」
左腕に抱き着きながら、
彼女は夢見がちに言う。
「んー、そう言われれば、雪のクリスマスって経験ないなぁ」
齢20も行かなければ、そんなものなのだろうか。
「でしょ? ホワイトクリスマスってすっごく憧れる」
「……じゃあ、サンタクロースにでもお願いしよっか? 今年のクリスマスプレゼントは雪の降るクリスマスにしてください、って」
「あはは、それいいかも」
言いながらさらに強く腕を抱きしめると、暖かくて大好きな笑顔が降ってくる。
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