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承、あるいは象
天界に限りなく近いけど、たぶん違う。そんな場所より。
「まぁ、アレですよね。サンタクロースには天気操作なんてできませんよ、って話ですよ」
「全くだ」
作業服のようにも見える白の上下にペンキのような塗料を付けたまま、苦笑いを浮かべる。
「ただでさえ暑い街に雪を降らすなんて、どれだけの労力が必要だと思ってるんでしょうね」
「全くだ」
「少しは『なぜ降らないのか』を考えてほしいものですね」
「全くだ」
「さっきから同じことばかりですよ?」
「……」
無言を返され、小さくため息をつく。
「しかし、だ」
姿勢を正す。今日初めてテンプレートから外れた発言に少し驚く。
「『降らせることができない』などと思われるのは、気に食わないな」
「ええ、そりゃあ」
――名が廃る、というものだ。
「よし。一番いいのを使うぞ。久しぶりに大規模なのをやる」
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