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後ろからいきなり耳元で声をかけられる。
俺は近づいて来ていたことに気づいていたから驚きはしなかった。
「こんにちは、団長の婚約者さん。
オスカーの友達かな?
君の周りにいた騎士は団長の婚約者だよって言って追い払ったけどあっちはどうする?」
そうオスカーの彼氏さんに言われて、感極まりとうとう涙が溢れ出す。
会えたことが嬉しかった。
迎えに来るという約束を今の今まで二人で律儀に守り、時々こっそり影からストーカーのように眺めていたり、練習試合などを観に行ったりと、小さな事しかできなかった。
「レオ...。」
「もぉー。
泣かない泣かない。
そんなに嬉しいの?」
頭をポンポンと撫でてくる。
笑顔で頷く。
「だって俺の王子様だから。
そう言えば副団長さんオスカーが俺の騎士様だって言っていましたよ。」
「団長ぉー。
早くこっちに来なよ。
婚約者さん泣いちゃってるよー。」
レオンハルトはうっすら驚いた表情をしたがすぐに甘く微笑む...。
スッと囲まれてる中を縫うように歩いてくる。
副団長はオスカーに嬉しい事言ってくれるねぇーと抱き締めていた。
副団長チャラ男×口悪い男前イケメン。笑いとか思っているのは俺だけですか?
「リアム。
おいで。」
人がいなくなったところで声をかけられる。
バッと手を腕を広げていた。
聞いた瞬間走り出す。
ぎゅっと抱き締めてくれてつい泣いてしまう。
ポロポロと。
少し落ち着いて手を離すとレオンハルトは片膝を付き小さな箱を開けてくる。
「リアム好きだ。愛してる。
俺と結婚を前提に付き合ってほしい。」
婚約指輪だ。
1つはリングが金で宝石が青、もう1つはリングが金で宝石が緑。
また涙が止まらずポロポロと流れ落ちる。
青のを俺の右手の薬指にはめられる。
緑のをレオの右手の薬指にはめる。
開いていた窓から、葉桜になりかけの花弁が、まるで祝福をするようにふわぁと何枚か飛んでくる...
「ずっと待ってた。
俺の王子様。」
-完-
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