第四十三章 恋と愛

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ーその日、私達はいつものオフィスでいつも通りに仕事をこなした。 お互いに、それぞれの仕事を黙々とこなす。 業務上、必要があれば、言葉も交わした。 ある意味、これが大人の恋愛なんだと思った。 それが出来ている自分を誉めてやりたかった。 揉まれて擦れて、それでも淡々と仕事をこなす術を身に付けた。 ある意味立派な社会人になれたんだ。 ちゃんと残業もこなして、まだ残業をする慶太を尻目にオフィスを出た。 蛍の時はある程度、気持ちを整理してから覚悟しての別れ話だった。 だから、ダメージも覚悟していたし、緩和された部分もあった。 だけど今回は、朝起きて、その時まで、慶太との別れなんて考えていなかった。 どう表現したらいいかわからないけれど、まだ、現実味がない。 そんな気持ちもあった。
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