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「…弘美ともう一回向き合うことにした」
その言葉に目を閉じた。
「結局かいって思うかもしれん。それは…謝る。ごめん」
お待たせしましたと、テーブルにそれぞれのパスタが到着する。
「昨日、あいつと会ってちゃんと腹割って話した。それで決心した」
パスタの湯気を眺める。
「響が、元カレ忘れられへんかった気持ち…ようわかる。俺も、弘美のこと忘れられへんかったんや」
慶太はパスタを食べはじめた。
「ただ、1つだけ信じて欲しいことがあるねん」
慶太の手が止まる。
「響を幸せにしようと本気で思ってた。響への気持ちに偽りなんかなかってん」
慶太の視線を感じて、私は頷いた。
「元カレにヤキモチ焼いて、大人げないこと言ってたと思う…ごめん。そんなんやから、愛想つかされても仕方ないよな」
慶太は笑った。
胸が痛くて苦しかった。
息苦しくて、必死で感情を抑えた。
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